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【現地レポート】Retool Summit 2025で見た、“AppGen”時代の幕開け

サンフランシスコで体感した「Retoolの進化」
10月7日、私たちGxPはサンフランシスコで開催された Retool Summit 2025 に参加しました。
今年のテーマは明確でした。Retoolはローコードツールから、エンタープライズ対応の「AppGenプラットフォーム」へ。
これまで「業務アプリを素早く構築するツール」として知られてきたRetoolが、生成AIの力を取り込み、“本番対応のアプリ生成”を実現するプラットフォームへと進化したのです。
発表の中心となったのは、今後の方向性を示す 4つのロードマップの柱。それが次の4つです。
Build instantly(即座に構築する)
Scale consistently(一貫してスケールする)
Manage confidently(自信をもって管理する)
Automate work(業務を自動化する)

1. 即座に構築する(Build instantly)
“アイデアから実アプリまで”を最短距離で実現
Retoolが掲げた最初の柱は、「構想から動くアプリまでの時間を劇的に短縮する」こと。
その中核を担うのが、AI支援型アプリ生成機能「Assist(AppGen)」 です。
Assistを使うことで、ユーザーは自然言語でアプリを生成・変更でき、Retoolに関する質問にも即時対応できます。
データを理解するAssist
Retool Assistはデータスキーマを解析し、最適なコンポーネント・クエリ・アクションを自動提案します。Figmaからアプリへ
Figmaファイルをアップロードするだけで、ブランド設定やデザインを反映したアプリ構造を自動生成します。コメントから変更へ
チームメンバーがコメントを残すと、Assistがその意図を理解し、アプリを直接更新します。

David Hsu(Retool創業者兼CEO)氏のコメント
「長年、企業ITは“速さ(パッケージツール)”と“柔軟性(カスタム開発)”のトレードオフに悩んできました。ジェネレーティブAIによって、その壁を打破できるのです。」
2. 一貫してスケールする(Scale consistently)
拡大してもブレない開発体制を実現
1つのアプリを作るのは簡単ですが、50個を安定的にリリース・運用することこそが本当の課題。Retoolの2つ目の柱は、まさにこの“スケールの壁”を解消するための仕組みです。
焦点となるのは 「再利用性」と「標準化」 の両立です。
再利用可能な関数(Reusable Functions)
アプリ間で共通のロジックやクエリを安全に共有し、再利用可能にします。
リソース、ワークフロー、エージェントと統合し、バックエンドで高パフォーマンスかつ安全な処理を実現。
これにより、アプリ数が増えてもコードの重複や修正コストを大幅に削減できます。ライブラリ(Library)
コンポーネント、モジュール、ワークフロー、関数ロジックなどを組織全体でバージョン管理。
共通部品を標準化し、誰がどのバージョンを利用しているかを明確に把握できます。
チーム間で同じ設計思想を共有することで、「属人化しない開発」を実現します。セマンティックオブジェクト(Semantic Objects)
「顧客」「注文」「請求」などのビジネス概念を、組織横断で共通に扱えるデータ定義として取り扱う仕組みです。
開発者は個々のデータベースのSQL構造を深く意識せずとも、共通モデルに基づいてアプリを構築できます。
また、権限管理やデータガバナンスをこの定義レイヤーにあらかじめ組み込むことで、アプリ数の拡大や運用フェーズへの移行後も安全性や統一性が保たれやすくなっています。
※この機能は現在“予定(TBD)”としてロードマップ上に掲げられており、詳細な仕様・リリース時期は追って発表予定です。
このように、Retoolは単なるローコードツールではなく、
組織全体で拡張・統制されたアプリ開発を可能にする基盤へと進化しています。
3. 自信をもって管理する(Manage confidently)
運用品質・セキュリティ・テストを一体化
本番運用に必要なのは、単なる機能実装ではなく「信頼性と継続性」。
Retoolはこの分野でもAIを活用し、“開発から運用までを一貫管理する”新たなアプローチを打ち出しました。
Expert Agents(エキスパートエージェント)
AIがアプリのロジック、パフォーマンス、権限設定をレビューし、改善提案まで提示。
人的レビューに依存しない自動ガバナンスを実現します。Native Testing(ネイティブテスト)
アプリ作成時にテストコードを自動生成。
開発規模が拡大しても、品質と再現性を維持できるテスト自動化環境を提供します。Flexible Hosting(柔軟なホスティング)
Retoolが管理するセルフホスト環境が登場。
企業のプライベートクラウド上でRetoolを運用しつつ、スケーリングやメンテナンスはRetool側が担当します。
まずはAWSから提供が開始され、今後さらに拡大予定です。
この「Manage confidently」によって、Retoolは開発から本番運用までの品質保証を“ツール側で完結”できるようになりました。
4. 業務を自動化する(Automate work)
AIが“業務を動かす”時代へ
Retoolは今年、AppGenをエージェント化する構想を発表しました。それが Retool Agents(Retoolエージェント) です。
一般的なチャットボットと異なり、Retool Agentsは業務に必要なデータ・ツール・APIを統合し、実際に業務を遂行するAIエージェントです。状況に応じて最適なリソースを選び、アクションを自動実行。たとえばレポート作成、承認フローの進行、データ連携などを“安全に”代行できる仕組みです。
Retoolは、「AIがアプリを作る」段階から、「AIが業務を動かす」段階へ。この変化は、企業の業務効率化に大きなインパクトを与えるでしょう。

AppGenは“本番対応のAI生成プラットフォーム”
Retoolが示したのは、単なるAI生成機能ではなく、実運用を前提としたエンタープライズ開発基盤です。
AppGenの特徴は次の4点に整理されます。
「速く作る」ではなく「本番で動く」
アプリを生成する時点で、本番環境に必要な構成・セキュリティ設定・データ接続を自動組み込み。
PoC(概念実証)で止まらず、そのまま運用に耐えるアプリを生成できます。Security by Default
SSO、RBAC(ロールベースアクセス制御)、監査ログ、コンプライアンス対応を初期状態で適用。
組織の権限モデルやポリシーを継承し、後からITガバナンスを整える必要がありません。“あなたのデータ上”で動作
生成AIは外部サーバーで動くのではなく、企業の実データベースやAPI環境内で実行。
本番スキーマ(顧客・注文・在庫など)を理解して構築し、データは外部に送信されません。開発〜テスト〜デプロイを一気通貫
AppGenで生成されたアプリはRetoolランタイム上でそのまま動作し、ワンクリックでテスト・バージョン管理・デプロイまで実施可能。
AIによるロジックレビュー(Expert Agents)や自動テスト生成(Native Testing)にも対応します。
これにより、AppGenは「速く作る」だけでなく、安全性・再現性・ガバナンスを兼ね備えた“本番運用レベルのAI生成”を実現します。
GxPが見たRetoolの「次のステージ」
今回のSummitで改めて感じたのは、「誰もがソフトウェアを作る時代」が、いよいよ現実になったということです。
データアナリスト、プロダクトマネージャー、現場担当者といった非エンジニアも、自らアプリを構築する事例が増えています。実際、非エンジニアの約半数がすでに自力でアプリ構築を行っているという調査結果も発表されました。
GxPとして注目したのは、「スピードとガバナンスの両立」。AIが生成する領域が広がる中でも、企業としての安全性・品質・再現性をどう担保するか。Retoolはその現実的な答えを「AppGen」で提示していました。
まとめ:AppGenがもたらす“現実的な変革”
Retool Summit 2025で示されたのは、単なる未来像ではなく、すでに始まっている変化でした。生成AIによるアプリ開発は、PoC段階を超え、エンタープライズ環境での実用フェーズへ。
AppGenは、その象徴的な一歩です。
「速く作れる」だけでなく、「本番で安全に動く」
― これがRetool版ジェネレーティブAIの価値。
今回のレポートが、御社でのRetool活用やAI導入のヒントとなれば幸いです。
より具体的な導入ステップや活用相談をご希望の方は、ぜひお気軽にGxPまでお問い合わせください。
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